年齢別のおすすめ検査
30代になったら一度人間ドックを受けましょう

30代で重篤な生活習慣病を発症する人は多くはありませんが、その予兆となる異常やリスク因子がすでに体内に現れ始めていることは少なくありません。
20代のうちは健康状態を深く意識していなかった人でも、30代に入ったら将来の疾患リスクに備え、一度は人間ドックを受けておくことをおすすめします。
以下では、特に30代の方が注目しておきたい検査項目について、わかりやすく解説します。
基礎健診(生活習慣病のリスクを把握)
基礎健診とは、生活習慣病の予防や早期発見を目的に、健康状態を総合的に確認する基本的な健康診断です。なかでも注目すべき検査項目が「血中脂質」と「空腹時血糖」です。
血中脂質の検査では、LDLコレステロール(悪玉)、HDLコレステロール(善玉)、中性脂肪などの値を調べ、脂質異常症のリスクを確認します。LDLが高い、またはHDLが低い状態が続くと、動脈硬化を引き起こしやすくなり、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクが高まります。空腹時血糖の検査では、血糖値のコントロール状態を確認します。
血糖値が100mg/dLを超える場合は、糖の代謝に異常がある「境界型糖尿病(耐糖能異常)」の可能性があり、将来的に糖尿病へ進行するリスクがあります。これらの検査は、自覚症状のない段階で異常の兆候を見つける手がかりになります。
胃カメラ検査(胃の疾患をチェック)
胃カメラ検査では、胃や食道の状態を直接確認することで、がんなどの重篤な疾患の早期発見につなげることができます。食道がんや胃がんは、日本人の死亡原因の上位を占めており、その兆候が30代から見られることもあります。
これらのがんのリスクを高めるとされるピロリ菌感染や慢性胃炎があるかどうかを調べるためにも、胃カメラ(上部消化管内視鏡)検査の受診をおすすめします。
また、若いうちにピロリ菌検査を行い、感染があれば早期に除菌治療を行うことで、将来的ながんリスクは限りなく低く抑えられることが分かっています。
特に30代のうちに一度は胃カメラ検査を受け、ピロリ菌感染や胃の状態を確認しておくことをおすすめします。当院では、できるだけ苦痛の少ない方法で胃カメラ検査を行っております。気になる症状がある方や、がんのリスクが気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。
腹部超音波検査(アルコールが好きな方)
30代でお酒をよく飲む方は、腹部超音波検査(腹部エコー)の受診を検討しましょう。アルコールの過剰摂取は、肝臓だけでなく膵臓や腎臓にも負担をかけ、脂肪肝やアルコール性肝障害などの生活習慣病を引き起こす原因になります。
基礎健診では、肝機能を示すγ-GTPの値がアルコールの影響を受けやすく、数値が100 IU/L以上の場合は特に注意が必要です。
こうしたリスクを早期に発見するためにも、腹部超音波検査を受けて、肝臓・膵臓・腎臓の状態を定期的に確認することをおすすめします。
40代からは疾患の発症リスクが上がります

40代に入ると、これまでの生活習慣による体への影響が少しずつ数値や症状として現れはじめます。
この年代では、糖尿病や高血圧、脂質異常症、さらにはがんなどの疾患リスクが高まることが分かっており、健康管理に対する意識を一段と高める必要があります。
これまで人間ドックを受けたことがなかった方でも、40代から受診を始めるケースが増えており、早期発見・予防の観点からも有効です。
今後発症する可能性のある疾患リスクや、すでに体内で進行している異常の有無を確認するために、自分の年齢や体調に合った検査内容を選ぶことが大切です。
基礎健診(糖尿病のリスクに注意)
40代の方は、定期的に腹部超音波検査を受けることで、見逃しやすい内臓の疾患を早期に確認することができます。この検査では、胆のうポリープ、胆石、肝臓の腫瘍、脂肪肝などの病変がないかを確認することができます。
これらの疾患の多くは初期段階では自覚症状がないため、気づかないうちに進行してしまうこともあります。症状が現れる前に状態を把握するためにも、40代を迎えたら腹部超音波検査を定期的に取り入れることをおすすめします。
定期的な腹部超音波検査
40代の方は、定期的に腹部超音波検査を受けることで、見逃しやすい内臓の疾患を早期に確認することができます。この検査では、胆のうポリープ、胆石、肝臓の腫瘍、脂肪肝などの病変がないかを確認することができます。
これらの疾患の多くは初期段階では自覚症状がないため、気づかないうちに進行してしまうこともあります。症状が現れる前に状態を把握するためにも、40代を迎えたら腹部超音波検査を定期的に取り入れることをおすすめします。
便潜血検査(大腸がんに注意),必要に応じて大腸カメラ検査
便潜血検査は、大腸がんを早期に発見するための重要な検査です。大腸がんは日本人のがん死亡原因の上位にあり、特に40歳以上の方では発症リスクが高まるとされています。
初期段階ではほとんど自覚症状がないため、定期的なスクリーニング検査による早期発見が非常に重要です。便潜血検査では、肉眼では確認できない微量の血液が便に含まれていないかを調べます。
これは、大腸がんや大腸ポリープによる出血のサインをとらえる方法であり、簡便で費用負担も比較的少ないため、健診の中でも取り入れやすい検査です。また、40代以降の方は便潜血検査に加え、一度は大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けることをおすすめします。 大腸内視鏡検査では、便潜血検査ではわからないポリープや早期がんを直接観察し、その場で切除できる場合もあります。
特にご家族に大腸がんを患われた方がいらっしゃる場合は、遺伝的なリスクが高くなるため、便潜血検査だけでなく、大腸内視鏡検査を積極的に受けることをおすすめします。将来的な大腸がん予防のためにも、40代を迎えたら一度は内視鏡検査をご検討ください。
50代からは死亡率が高い疾患の発症リスクが上がります

50代に入ると、がんや心疾患、脳卒中などの死亡率が高い疾患を発症するリスクが高まります。
これらの疾患は、加齢に伴って自覚症状のないまま進行することも多いため、定期的な健診による早期発見と予防がより重要になります。
基礎健診(心筋梗塞・脳卒中の早期発見)
50代に入ると、動脈硬化の進行によって心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクが高まります。これらの疾患を早期に発見・予防するためにも、基礎健診では動脈硬化に関係する血中脂質(LDL・HDL・中性脂肪)、血糖値、血圧、肝機能(特にγ-GTPなど)の項目に注目して結果を確認することが大切です。
加齢に伴い、これらの数値に異常が現れやすくなるため、定期的な健康診断を通じて変化を見逃さないようにしましょう。
心電図検査・心エコー検査(不整脈に注意)
50歳を過ぎたら、心臓の健康状態をより意識し、不整脈などの兆候を見逃さないことが重要です。一見軽度の不整脈であっても、放置すると心筋梗塞や狭心症といった重篤な心疾患につながることがあります。
こうしたリスクに早期に対応するためには、心電図検査やホルター心電図、心エコー検査などを活用し、心臓の状態を定期的にチェックすることが大切です。とくに不整脈が疑われる場合や、胸の違和感・動悸・息切れなどの症状がある方は、早めに医療機関を受診し、必要な検査を受けましょう。
前立腺特異抗原検査(前立腺がんの早期発見)
前立腺がんは、進行が比較的ゆるやかで初期には自覚症状が出にくい一方で、ある程度進行すると他の臓器へ転移しやすいという特徴があります。症状が現れてから発見された場合には、すでに転移しているケースも少なくありません。
そのため、症状が出る前の段階で早期に見つけ、適切な治療を行うことが重要です。早期発見の手段として有効なのが、前立腺特異抗原(PSA)検査です。
PSAは前立腺がんに関連する腫瘍マーカーで、血液検査で簡単に測定できます。50歳以上の男性や、前立腺がんの家族歴がある方は、定期的にPSA値を測定し、前立腺の健康状態を確認することをおすすめします。
大腸カメラ検査(大腸がんの早期発見)
50歳を過ぎると、大腸がんやその前段階である大腸ポリープの発症リスクが高まります。大腸カメラ(大腸内視鏡検査)を受けることで、大腸ポリープや大腸がんなどの異常を早期に見つけることが可能です。
検査中にポリープが確認された場合には、その場で「内視鏡下ポリープ切除術」によって切除できる場合があります。ポリープを早期に取り除くことで、大腸がんへの進行を防ぐことが期待されます。大腸カメラをまだ受けたことがない方は、50代を迎えるこの機会に検査を検討するとよいでしょう。
60代からは定期的に人間ドックを受けましょう

60代に入ったら、定期的な人間ドックで健康状態をしっかり確認しましょう。60歳を過ぎると、がんをはじめとするさまざまな疾患の発症リスクが大きく高まります。
特にがんは加齢とともに発症率が上がり、60代以降に診断されるケースが多くなります。そのため、将来にわたって健康を維持するためには、年1回を目安に人間ドックを定期的に受けることが大切です。
加えて、検査内容もより詳細な項目を選ぶことで、疾患の早期発見・早期治療につながります。特に、内視鏡検査や腫瘍マーカー、心臓・血管の状態を把握できる検査などを含めるとよいでしょう。
基礎健診(チェック項目の増加)
60代の基礎健診では、50代に比べてチェックすべき項目が増えます。60代になると、加齢に伴って心疾患やがんなどの重大な疾患のリスクが高まります。
そのため、50代で注意すべき糖尿病や高血圧に加えて、以下の検査項目を追加でチェックすることが推奨されます。
- 安静時心電図:心肥大や不整脈の有無を調べます。
- 腫瘍マーカー(PSA、CEAなど):がんの早期発見を目的に、年齢やリスクに応じて実施されます。
- 腹部超音波検査:脂肪肝や胆石、腫瘍などを確認するための検査で、無症状でも定期的な実施が推奨されます。
これらは、50代の健診で基本的に行う「血中脂質」「空腹時血糖」「肝機能」「血圧」の測定に加えて、60代から重点的に取り入れたい項目です。
健康寿命を延ばすためにも、検査項目の選択肢が増える60代では、人間ドックや基礎健診を定期的に受診し、体の状態を正確に把握しておくことが大切です。
全身のスクリーニング検査(胸部CT検査・胃カメラ検査・大腸カメラ検査など)
60代になると、がんや心疾患などさまざまな疾患の発症リスクが一段と高まります。そのため、「この部位だけを検査すれば十分」とは言い切れず、全身を幅広くチェックすることが大切です。
具体的には、胸部CT検査(肺疾患や肺がんの早期発見)、胃カメラ(胃がんや慢性胃炎の確認)、大腸カメラ(大腸がんやポリープの検出)などを組み合わせることで、目に見えにくい疾患の兆候を早期に捉えやすくなります。
こうした検査は一部費用が高額になる場合もありますが、体を細部まで調べることで重篤な病気を早期に発見できる可能性が高まり、将来的な医療費や治療負担を抑えることにもつながります。
胸部CT検査(肺がんの早期発見)
肺がんは、60代以降に発症リスクが急激に高まる疾患のひとつです。喫煙者の減少にもかかわらず、受動喫煙や大気汚染などの影響もあり、発症者数は依然として増加傾向にあります。
特に男性は女性に比べて罹患率・死亡率ともに高い傾向があり、注意が必要です。当院では、早期の肺がんを発見できる胸部CT検査を実施しています。
胸部CTは、レントゲンでは見つけにくい小さな病変も捉えることができ、早期治療につなげる有効な手段です。60代を迎えた方や喫煙歴のある方は、定期的な検査を通じて、将来のリスクに備えていきましょう。気になる症状や不安がある方は、お気軽にご相談ください。
当院の人間ドック
単独内視鏡検査
| メニュー | 費用 |
|---|---|
| 単独胃内視鏡 検査ドック |
約17,000円 |
| 単独大腸内視鏡 検査ドック |
約25,000円 |
| 単独胃・大腸内視鏡査ドック | 約40,000円 |
スタンダード
| メニュー | 費用 |
|---|---|
| スタンダード ドック胃 |
約27,000円 |
| ペア料金約52,000円 | |
| スタンダード ドック大腸 |
約35,000円 |
| ペア料金約67,000円 | |
| スタンダード ドック胃・大腸 |
約50,000円 |
| ペア料金約96,000円 |
プレミアム
| メニュー | 費用 |
|---|---|
| プレミアム標準 人間ドック胃 |
約53,000円 |
| ペア料金 約102,000円 |
|
| プレミアム標準 人間ドック大腸 |
約60,000円 |
| ペア料金 約115,000円 |
|
| プレミアム標準 人間ドック胃・大腸 |
約75,000円 |
| ペア料金 約145,000円 |
|
| プレミアムフル 人間ドック 胃+大腸+全身ドック |
約160,000円 |
| ペア料金 約310,000円 |